テイザニストもろーの山歩き

山歩き歴50年、今は低山を中心に歩いています。

2021年03月

桜見物を予定していたがあまり天気が好いので山を歩きたくなった。
午前中で帰って来れる山を物色して湯河原町の幕山に決定。
本来なら梅の季節に行くべきだが記憶の中に渋滞と駐車場満車がある。
だから梅の季節には1回行っただけだ。
でも桜もまんざらではないという記憶もある。

幕山の駐車場を7時30分に出発。
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幕山はロッククライマーに人気の山なので自分が出発の準備をしている間にほぼ満車。
この下にふたつ駐車場があるが帰ってきたらすぐ下の駐車場も満車。
その下の駐車場がまだ余裕があるといった状態だった。
この山はまた田中澄江の「花の100名山」のひとつでもある。
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葉っぱのようなものをビニール袋に入れた人とすれ違う。
おそらくワラビだろう。
前回来たときも山の中でワラビ取の人に出会ったし自分も見つけることが出来た。
ただし目的が違うので写真を撮っただけだった。

登山口は梅林散策路から。
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今は花がないが梅の木が密集している。
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ロッククライミングの様子がわかる。
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この山の周辺はとにかくスミレが多い。
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それからヘビイチゴも多い。
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新緑のような青々とした景色。
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満開のオオシマザクラ。
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山頂から下りて来た人が「山頂は桜咲いてなかったです」と言う。
あれま、山頂の桜を楽しみにしていたのに残念だ。
その人も山頂の桜の写真を撮影に来たのだと言っていた。
オオシマザクラで仕方ないですねと言って別れる。
しかし自分はオオシマザクラがけっこう好きだ。

登る連れて海が見えて来るが山頂まで撮影を我慢。
やがて山頂への標識。
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標識の真ん中に「近道」とあって方向は両方を指している。
これは左に行くのが正解。
ただ大して変わらない。

山頂着8時30分。丁度1時間でコースタイム通り。
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早速眼下の真鶴半島を撮影。
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標高626mの低山だから360度の景色に恵まれているわけではない。
しかしこの足下から出っ張っているよう半島の景色は秀逸だとおもう。
そして桜はソメイヨシノは全然咲いていなかった。
オオシマザクラが咲いていたがそれはこの先多く見ることになる。
ソメイヨシノが咲いていれば半島といっしょに撮影するのだろう。
山頂標の後ろにもソメイヨシノが咲いているはずだった。
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さて半島も見たしソメイヨシノは咲いていないし。
1時間しか登っていないのでお腹もすいていないし。
なので水分補給後すぐに出発。
道の両脇には相変わらずのスミレ。
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南郷山と大石ヶ平との分岐点。
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南郷山へ行けば海の景色がもっと開ける。
途中には頼朝の故事に因んだ池などもある。
でも今日は時間の都合で大石ヶ平へ。
大石ヶ平へは幕山の北側下を歩く。
箱根の外輪のような笹薮を分けた道。
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北側から見る幕山。
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大石ヶ平着9時15分。
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ここは山間の広場なので「平」なんだろうが何もない。
むしろこの上の方に大規模な砂防ダムだったかがあってその方がおもしろい。
平に出た後は新崎川に沿って林道を歩く。
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Nobuさんの話ではこの辺にパワースポットがあるとかだったが思い出せない。
幕山は箱根火山の側火山で溶岩ドームなのだそうである。
柱状石理を見ることもできる。
だから「麓?」を1周することができるのだ。
そして柱状石理をよく観察できるところがあるとこれもNobuさんに教えてもらったことがある。
でも全然憶えていないのだった。

幕山公園が近くなるとオオシマザクラが沢山咲いている。
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シャクナゲも咲いている。
真っ赤かかのシャクナゲを見るのは初めてだ。
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何本もある。
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でもこのシャクナゲの方が好きだ。
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ヤマブキ。
というと「ヤマブキ色ですよお殿様、へ、へ、へ」を思い出してしまう。
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ドラマじゃなくって21世紀の日本でそういったことがあるのが残念だ。

シャガの花。
この花を見ると新宿御苑を思い出す。
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やがてソメイヨシノ咲く駐車場着9時50分。
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標高450mの差で山頂とはこれほど咲き方が違うのだった
とはいえ好天の下、2時間20分とはいえ山歩きが出来て満足満足。

この後に午後から小田原城の桜見物。
しかしあまりにも人が多かった。
人々からウィルスが湧き上がって空気中に漂っているのではないかと思えるぐらい。
そこへ行くと山なんてなんとも安全ではないかと認識した次第です。

先週は大山三峰下の不動尻ミツマタ群生地を訪ねた。
それで充分なはずだけどこのところの年中行事でもあるので今週はミツバ岳を訪ねた。
天気予想は曇りで山の上はガスか雨の可能性もあった。
なにしろ自分はいわゆる「雨男」だからだ。
ただミツバ岳だけの往復なら降雨のリスクも低いだろう。
神奈川県西部は曇りで霧雨のところもあった。
幸い出発点の滝壺橋駐車場周辺は曇りだった。
6時25分に出発。
自分の車が入ったことで駐車場は満車になった。
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少しの間自動車道路を歩く。
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登山口はツバキの花が目印。
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少し登ると眼下に丹沢湖が見えて来る。
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30分程登るとミツマタが現れる。
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しかしどうも大規模な間伐が行われたようだ。
まだ新しい沢山の丸太が斜面に留置されている。
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間伐に巻き込まれてしまったミツマタも少なからずあったようだ。
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だから群生地と間違える程の林間のミツマタはとても少なくなっていた。
ただ切り株がそこここにあるので休憩するには良い。
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ミツマタがなくなったのは残念だが人工林は畑のようなもの。
大事なのは「栽培されている杉」なのだから仕方ないのだろう。

「火の用心」の看板。
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ここは丹沢でもハイカーが来るのはこの季節だけだろう。
ヤマプラでも破線ルートになっている。
2000年版の昭文社のガイドブックには山名が記されているだけで道はない。
とするとこれはハイカーではなく山仕事をする人への注意なのではあるまいか。
それともはるか昔にハイカーで賑わった時代があるのだろうか。

人工林を抜けて自然林に入るとミツバ岳まであと3分の1。
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そして甘い香りが漂ってくると山頂。
ただしこの日はガスっているのでミツマタがぼんやりと見えてきた。
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やはりミツマタには青空が似合う。
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それにしてもなんだか山頂のミツマタが少なくなったように感じる。
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漠然なのでどのように少なくなったかはわからない。
でも以前は山頂付近が隙間なくミツマタで埋まっていたような気がする。
しかし草の花と違ってオーバーユースで踏みつぶされることはない。
和紙の原料としてわざわざ山頂まで切りに来ることはないだろう。
先週の不動尻と比べてしまい少なく感じるのか。
もちろん自然林だから間伐作業もないのだが…
ただし始めて来たならやはり「わーいわーい」と喜んだだろう。

その代わりミツバ岳~権現山の鞍部のミツマタが増えた。
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ミツマタの多さに見とれて道を間違えるんじゃないかと思うほど。
道の両脇とそれから斜面の下の方までミツマタが広がっている。
あと何年かするとミツマタ街道と呼ばれるようになるのかもしれない。

当初はここで引き返すつもりだった。
どうせガスって景色はないだろうし雨が降りそうだしかったるいし…
でもまあ天気は持ちそうだしもう少し歩きたいし…
でいつもの通り権現山に向かう。
昨年来たばかりなのに何故か懐かしい山頂直下のベンチ。
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一応山頂、8時30分着。
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霧の流れる尾根を丹沢湖方面に向かう。
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これはシキミだろうか。
今回でこの道を通るのは4回目だが初めて見た気がする。
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ツバキの小さな自生地を通る。
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椿というと伊豆の大島を連想する。
伊豆大島というと南国という言葉が浮かんでくる。
つまり椿は「南国の花」のイメージが自分にはある。
ということは「権現山=南国の山」になってしまうのだった。

やがて丹沢湖が見えてきた。
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さらに下って行くとスミレの花があちこちに咲いていた。
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昨年はリンドウの花が咲いていたと思う。
今年もとおもって探したが見当たらない。
自分の眼が節穴だらけなのだろうか。
それとも単純に勘違いだろうか。
いろいろ考えながら歩いていたらマムシソウ。
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大っ嫌いではあるが勢いで撮影してしまった。
そして浅瀬入り口、10時丁度。
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ここから車道を歩く。
途中ソメイヨシノの花。
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10時20分、滝壺橋駐車場着。

ミツマタの花を見たら帰ろう、それで出かけた今日のミツバ岳。
しかしなんだかんだと権現山廻りを歩いてしまった。
間伐が行われて林間のミツマタが少なくなったこと。
なんだか山頂のミツマタも以前と比べて少なく感じたこと。
でも途中のミツマタ群生地が育っていること。
歩いてみなければわからない。
やはり歩いてよかった。

車で駐車場を出たのが10時30分。
明日が雨の予想のためか今日は人が多い。
駐車場に入りきらないで路肩に停めていた車もあった。
まだ10時30分だからこれからミツバ岳へ向かう人もいた。
だから自分が車を出したすぐ後に来た人は実にラッキーなのだった。

大山には数えきれないほど登っているがいつも簡単ルートだ。
ひとつは表参道。
ただし元旦以外はケーブルカーを使わずに下から歩いて行く。
9時始発なのでそれより前に登ってしまうからだ。
下山はもちろん全て脚。
もうひとつはヤビツ峠から。
これは大変に楽なコースなので足慣らしに使う。
これらを何回も使っていて日向薬師コースを使ったことがなかった。
表参道から登った時に下山で見晴らし台ルートを使うので歩いたことはある。
でも下った時の感想は「これ登ったらかったるいだろな」だった。
それが今回はTanmaさんに日向薬師コースを誘われた。
こちらから登って不動尻に下りるとミツマタの群生地があるのだそうだ。
というわけで谷太郎川の駐車場に車をデポ。
出発点は日向キャンプ場の駐車場。
とても広く舗装もされていて立派な駐車場だ。
早朝の5時45分に出発。
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まずはつづら折れコースを登る。
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東京や横浜の景色がすぐに見ることが出来て足が止まりがち。
さらに登ると相模湾が開け伊豆大島が見えてきた。
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そして早くもミツマタが登場。
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第一目標の見晴台には7時5分着。
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ここはケーブルの駅から30分程なのでピクニック気分で来れる。
だからベンチもテーブルも多く用意されている。
ただしここは凍結か泥濘かの場所だった。
なので本日の4人のメンバーにも泥んこ注意と伝えていた。
しかし今はしっかりと整備されていて泥んこじゃなくなっていたのだった。
石を敷き詰めてあったり木道が出来たりしていた。
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頂上が近づくとけっこうきつい登りになる。
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でも海や平野の景色が素晴らしい。
下山で使うときは駆け下りてしまうのでろくに景色も見なかった。
頂上で見て来たのだし。
でも登って行くと素晴らしい景色であることがわかった。
伊豆半島、伊豆諸島、相模湾、三浦半島、東京湾、房総半島が掌中にあるのだ。

登山道脇で草を食む鹿。
ある意味、いろんな意味で丹沢名物だ。
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多彩な見所を経て大山山頂8時50分着。
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阿夫利神社奥の院はまだシャッターが閉まっていて。
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始発9時のケーブルカーが動き荷揚げのモノレールが来ないと開かないのだろう。
この山頂では忙しい。
まずは上社の前より江の島から房総半島の景色。
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次に相模湾西部。
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それから山頂を北側にぐるっと回って富士山。
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もちろん丹沢の表尾根と主脈も。
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その他にも南アルプス、奥秩父、奥多摩、奥武蔵の山々。
遠くに筑波山から上州の山々。
さらに関東一都六県の景色を眺め9時30分山頂発。
相変わらず眺めの好い尾根を不動尻方面に下って行く。
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痩せ尾根で知られる丹沢三峰に続く尾根とあって痩せて切れた箇所もある。
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丹沢三峰との分岐である唐沢峠10時45分。
ぐんぐん下って行くとミツマタの甘い香りが漂ってきた。
下方にはミツマタの濃い黄色の帯も見えてきた。
ミツマタ群生地には11時30分着。
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これ以降は食事やら花の撮影やらで過ごす。
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ミツマタの他にもハナネコノメもある。
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滝もある。
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で、群生地発14時20分。
けっこうしょっぱい沢沿いの道を歩くこと40分。
最後に問題ない木の橋を渡る。
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そして車デポ地点に15時着。
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Tanmaさんが置いておいてくれて車で日向キャンプ場駐車場へ。
いや~初めての日向薬師からの大山だったがよかったよかった。
日向薬師からのコース、何だかくせになりそうだ。
秋の1日にもいいだろう。
それから山麓のハイキングも楽しそうだ。
近所の七沢温泉郷や日向薬師は歩いたことがある。
これからはこれにプラスの大山や三峰だ。
こんな素敵なプランを考えてくださったTanmaさんに感謝。
そして誘ってくださったみなさんに感謝です。

初めて大ドッケへ行ったのは2018年だった。
なかなか好いところだったのでまた行こうと思った。
ところが翌年の2019年は体調が悪く断念。
2020年は膝が本調子でなくてこれも断念。
今年こそはと意気込んでいたのに腹具合が悪かった。
それでも好くなることを期待して秩父へ向かった。
しかしあまり好転しなかった。
でも2019年のときのように「もうダメだ」というほどでもない。
Tanmaさんから提供された薬を飲んで5時55分に大日堂前駐車場発。
一昨年の台風のせいかかつての生活道も荒れていた。
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整備されていない道。
でも昔はこれが普通に山道だった。
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Tanmaさんからの薬が効いて食べられるようになって元気にもなった。
途中でハナネコノメに出会う。
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沢を登って行く。
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この沢沿いは道なき道でしかもその斜度がけっこうきつい。
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さらに涸れ沢を登って行く。
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着いた場所がフクジュソウの群生地。
9時45分着。
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それにしてもこの群生地、2018年に来たときよりも縮小されていた。
以前はフクジュソウが咲いていた場所もただの斜面になっている。
そこを登山者が普通に横切ってしかもザックをどさりと置いたりする。
かつては秘密の花園と言われていたフクジュソウ群生地。「場所は内緒がエチケット」なんて言われていたが最近はそうでもないらしい。
だから多くの人が来てオーバーユースなのかもしれない。
(まあ自分もその一人ではあるが)
地元のおっくんさんの話では秩父市の天然記念物(だったけかな)指定だそうな。
ならばそろそろここも保護のために囲いを設ける必要があるかもしれない。
残念ではあるがそうしなくては荒れるばかりのような気がする。

群生地発10時35分。
大ドッケへの尾根へと上がる。
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途中で昼食を摂った後にまずは独標。
三角点がある。
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独標というのはいろんなところにあるけれどでもなんか好い名前だ。
独標山岳会なんてのもあったとおもう。

そして本峰の大ドッケ。
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この大ドッケ周辺のブナやナラの森が素晴らしく好い。
鬱蒼としたブナ林でもなく人工林でもなく適度な疎林が好い。
大ドッケ山頂を過ぎるとぐんぐんの下り。
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13時25分に起点の大日堂駐車場着。
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2018年以来の大ドッケ。
ここはフクジュソウ群生地で知られている場所ではあるが…
でも途中のかつて山人の生活を偲ぶことができ。
次に沢の急な登りがあって尾根に出て。
そしてブナやナラの森林の中を歩いて。
山の楽しさがいっぱい詰まってる大ドッケだとおもっている。
さらに南の東京方面に向かうと大平山がある。
ここはシロヤシオが美しいのだそうな。
沢山の楽しみのある大ドッケなのだった。

冬なのに奥武蔵になかなか行けなかった。
自粛要請があってまあ一応県を跨いでの移動は遠慮してみた。
でもせっかく奥武蔵の季節なのに行けないなんて、だ。
昨年の11月にみなさんにお付き合いいただいて懐かしのコースを歩いたきり。
もちろん4月の花の季節の奥武蔵も良い。
それはいいがやはり冬に行っておきたい。
でいろいろ行き先を考えたがまとまらない。
週末は用事があって長くは外出できなかった。
とはいえせっかく奥武蔵まで行くなら少しは歩きたい。
しかし出てくる案がみな「帯に短したすきに長し」だった。
それで案がまとまらないうちに土曜日になった。
もし起きられなければまた丹沢でいいやなどとおもっていた。
でも土曜日の朝4時に目が覚めたらやっぱり奥武蔵に行こうになった。
しかもピッと浮かんだのが旧正丸峠から正丸駅へ下りるコース。
以前この峠を横切って太野峠方面に向かうときに気が付いたコースだ。
ただ正丸駅から正丸峠・旧正丸峠ではあまりにも短い。
それで何回登っても嬉しい伊豆ヶ岳を加えることにした。
ヤマプラではこれでコースタイムが4時間30分とある。
なんか丁度好い時間ではないか。

7時20分、もうソウル・ステーションというべき正丸駅を出発。
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静かな大蔵の集落。
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民家の庭に咲いていたセツブンソウ。
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フクジュソウはまだ眠っていた。
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馬頭観音の分岐を伊豆ヶ岳方面に向かう。
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杉が枝打ちされていて綺麗だ。
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これは人手でやったのだろうか。
今どきそれは大変だからきっと「枝打ちロボット」を使ったんだろうな。
それにしても山の全部の杉の枝打ちは大変だろう。
でも枝打ちすると森林の中に光が入って明るくなる。
下の植物には嬉しいことだろう。
それに花粉の量も減るのではないか。

未だに台風の爪痕の残る奥武蔵で言うところの「入」ずたい。
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と斜面の上の方でなにか作業をしている音が聞こえた。
もうこんな早くからとおもったが人の気配も動物の気配もない。
そのうち木を投げるような音も聞こえてきた。
立ち止まって様子をうかがっているとそれは風で揺れる木の音だった。
風に吹かれた木々が大きくしなってぶつかり合って。
そしてぶつかった衝撃で枝が落ちてきて。
山火事の原因のひとつに自然発火があってそれは木々が擦れあっての発火だと聞いたことがある。
でも体験なんかでやってる原始時代の木を擦っての発火だってなかなか火が点かない。
だから自然の木々がぶつかりあって発火なんかするかいなとおもっている。
しかし今日の風でぶつかり合って大きな音を立てる木々を見ていると「う~む」となる。

お馴染みの胸突き坂。
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からの仲間うちで「一瞬アルプス」と呼称していた岩っぽい尾根。
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伊豆ヶ岳の次に向かう正丸山あるいは川越山。
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伊豆ヶ岳へ来たらこれ、の鎖場。
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木の根っこが岩ごと剝離していた。
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そのうちこの岩場のあちこちでこんな現象が起こるのだろうか。
途中の岩の上から都県境の山。
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武川岳への尾根とその向こうウノタワから大持小持の尾根。
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伊豆ヶ岳山頂茶店跡から関東平野。
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肉眼では東京湾も光っていたしスカイツリーも見えたがスマホのカメラでは写らなかった。

山頂には8時55分着。
11月に来たときには気が付かなかった(あるいは忘れた)奥武蔵トレイルの標識。
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奥武蔵トレイル? 105km? いったいそりゃ何だべ。
帰宅してネットで検索してみたが詳しいことは分からなかった。
山頂で休んでいた人と少ししゃべって9時10分伊豆ヶ岳出発。
すぐに五輪山。
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標識が壊れていて何とか持ちこたえている状況。
東京五輪の先を暗示しているのか。

小高山山頂兼茶店跡。
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横瀬二子山が指呼の距離。
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正丸峠着9時40分。
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いつも朝早く来るので奥村茶屋は常に閉まっていた。
店を開けるとなかなか良い雰囲気なのだった。
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さて旧正丸峠に向かうには正丸峠を秩父側に少し歩く。
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立派な階段を登る。
吾野駅から峠までバスが来ていた頃は観光客が歩いたのだろう。
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登ると関東ふれあいの道「峠の歴史をしのぶみち」の案内板。
正丸峠~虚空蔵峠~刈場坂峠~太野峠~白石峠とある。
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自分は以前大野峠まで歩いたことがある(そのときの終点は丸山)。
けっこうきつかった思い出がある。
だから簡単に「峠の歴史をしのぶ」なんて謳っていいのかなと心配になる。
まあ行けばどうということないのだが。

正丸峠から少し登ると東屋があって休憩に良い。
自分もここで行動食を食べて10分程休憩。
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歩き出すと正丸山への急登。
トレランのお兄ちゃんが凄い勢いで下ってきた。
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正丸山には10時着。
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木の間越しに武甲山を見る。
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ここから10分と少しで川越山10時10分。
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自分はこの山を普通に「カワゴエヤマ」と読んでいた。
しかしヤマプラには括弧して「カンゼヤマ」とある。
川越と書いてカンゼと読むのだろうか。
わからなくもなくもない。

それはともかくここから眺める刈場坂峠などの行く手が遠い。
少なくとも遠く見える。
なんだか1度下山してまた別の山に行くみたいだ。
それで前回は気が折れそうになった。
虚空蔵峠で林道を正丸駅まで引き返しちゃったっていいよね。
などと自分の気持ちに保険を掛けたりしたものだった。
結局は大野峠を経て丸山まで行ったけどなかなか難敵ではあったかな。
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川越山から旧正丸峠へ下る道。
けっこう急な下りだから登るのも大変だろう。
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そして下り切ったところが旧正丸峠だ。
10時25分着。
秩父側に向かって撮影する。
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この峠は国道299号線が出来るまでの長い年月間、飯能と秩父を結ぶ峠だったのだろう。
今はハイキングコースのひとつだが往時は交通の要衝でもあったはずだ。
それがこうしてひっそり存在しているのになんとも愛しく感じてしまう。
しかも現在では飯能・秩父側ばかりでない。
ハイキングコースとして正丸峠・虚空蔵峠の中間地点なのでそこを横切る道もある。
だからこの標識が4方向に向かっているのが嬉しい。
そんな感慨にふけった後(といっても数分だけどね)飯能側へ下る。
15分程下ると正丸峠越えの旧国道299号線に出た。
正丸峠同様ひっそりとしている。
西武鉄道がまだ吾野止まりだった頃はバスが通っていたそれで秩父への道だった。
深田久弥もバスで正丸峠を越えて秩父に入っている。
そんな想いはともかくすぐに正丸駅への標識。
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「入」沿いの道をどんどん下って行く。
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旧道のまた旧道なので往時を偲ぶかのように馬頭観音像があった。
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そしてやがて集落に出た、けっこう大きい。
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峠に向かう道のこれから山ですよのところにはおしなべて集落がある。
それは旅人を泊めたりあるいは交易だったり。
この集落も往時はそんな役割だったのだろうな。
八坂神社があった。
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そして国道の新299号線に出た。
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ここを少し歩くともう正丸駅だった。
11時10分着。
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7時20分に出発して11時10分着ということは3時間50分の歩程だった。
あれれ、ヤマプラのコースタイムでは4時間30分なのにね。
しかも途中で20分は休んでいるから3時間30分で歩いてしまったことになる。
う~むおかしい。
オレがそんなに速く山を歩けるとは、だ。
けどよかった。
強い風が梢を渡る音が心地よい。
寒くてもでも日向には暖かい陽光がある。
これが奥武蔵の冬だあ。
とても満足して帰ろうとしたら正丸駅を特急電車が通過した。
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久しくレッドアローに乗っていなかったらいつの間にか車両が変わっていた。
これも是非乗りたい特急なのだった。

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