テイザニストもろーの山歩き

山歩き歴50年、今は低山を中心に歩いています。

2020年10月

インフルエンザの予防接種をしてからどうも身体がおかしい。
因果関係があるかどうかわからないがだるさが続く。
そしてこれは関係ないだろうけど腰痛が始まってしまった。
立てない歩けないくしゃみをしても痛い、というものではない。
腰痛が始まった時にすぐに半日横になっていたのがよかったのか。
用心しながら普通に生活して1回30分程ではあるが散歩もしている。
でも大事を取らなければならない。
先週末の10月24日25日よも素晴らしく天気がよろしかった。
絶好の山日和ではあるが我慢して家で横になって読書をしていた。
愛読書である田部重治の「わが山旅五十年」を読み直す。
ひと月前に金峰山に登ったので田部がどのルートで登ったか再確認したかった。
山旅50年
田部が木暮理太郎と金峰山に登ったのは明治42年だ。
秩父鉄道の終点が波久礼でそこから歩き出す。
現在は秩父市域の栃本に宿泊、翌日は十文字峠泊。
十文字峠では梓山の床屋だという人と会話している。
長野県の梓山から秩父の落合に行って床屋を開くのだと。
十文字峠は今では登山の対象だけれど昔は秩父と川上を結ぶ重要な峠だったのだ。
そしてこのとき三宝山を経て甲武信岳を試みるが尾根が密林に覆われていて断念。
翌日猟師の案内人を雇って梓山から甲武信岳を往復。
金峰山には川端下まで行ってそこから登山。
金峰山山頂は悪天で景色に恵まれずすぐに黒平方面へ下る。
五丈岩の南面には権現堂があったらしいが火事で焼失したとある。
下って行くと御室小屋があるのだがそれも焼けてなかったようだ。
田部と木暮は黒平まで行って鉱泉に入って宿泊。
翌日昇仙峡へでて甲府へ、というコースだった。

自分の初めての金峰山は45年前。
富士見平から瑞牆山アタックの後に金峰の小屋に一泊。
翌日山頂を経て黒平、昇仙峡と経て甲府へ出たので下りは田部コースと同じだ。
自分たちのときは御室小屋が健在でそこで朝食を摂った記憶がある。
小屋と言っても東屋程度のものだったけれど当時の概念ではそれで立派な小屋だった。

金峰山は深田久弥の100名山のひとつだ。
ついでに深田がどのコースで金峰山に登ったかも確認してみた。
日本100名山
深田のこの著書に金峰山の項は木暮理太郎の引用文ばかりが記憶にある。
あるいは金峰山のうんちくとかで深田がどのコースで登ったか覚えていない。
それで確認のために読んだのだが深田は黒平から登っているのだった。
というのも金峰山は別名「甲州御岳山」で信仰の山。
その表参道が黒平からだから、なのだそうである。

ひと月前に金峰山を登った時にTanmaさんが表参道から登りたいと言っていた。
なるほどなあ、なのだけれど下った経験から思うとあれを登るの大変だあ。
因みに黒平は「くろだいら」ではなく「くろべら」です。
45年前、友人とこの道を歩いたときに自分は「くろだいら」と言っていた。
それを友人は何回も「くろべらだよっ!」って訂正したのでした。

週末関東地方の天気予報は思わしくなかった。
土曜日は雨降りで日曜日も曇りで降水確率50%なんてところも。
ところが日曜日の茅野市・北杜市など八ヶ岳周辺地域の予報は朝から晩まで晴マーク。
八ヶ岳の軽く登れる山をということで編笠岳を考えていた自分としては好都合。
しかも土曜日の冷たい雨は長野県の山々は雪。
テレビに映された降雪の映像のテロップには「北八ヶ岳」とあった。
こんなときに編笠岳に登れば素晴らしい景色に出会えるだろう。
がしかしまだ天気予報に懐疑的だった。
雪の1日の翌日に朝っぱらから晴れるのだろうかと。
半信半疑で未明に家を出たが山中湖付近では雨だった。
う~む、やはり朝から晴れは無理なのだろうか。
「転進」が頭をよぎったが富士吉田では夜空にオリオン座が大きく輝いていて。
それでもう疑いもなく小淵沢へ「Go」だった。

小海線の踏切から望む権現岳。
べったりと雪が付いているのがわかる。
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観音平からの編笠岳。
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八ヶ岳主峰群ほどでもないが山頂付近に積雪。
この時点では「うっすら」という認識だった。

6時30分に観音平発。
この「熊出没注意」は昔は北海道の専売だった。
でも今はどこの山へ行ってもこの「注意」を見る。
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森は期待通り紅葉のオンパレードだった。
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7時20分雲海展望台着。
この名前が裏切られることが多いが今日は面目躍如の富士山。
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さらに紅葉の登山道。
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8時2分に押出川を過ぎると大きな石が目立つ道に。
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お馴染みの南アルプス展望地。
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この辺から登山道には雪が目立つようになり。
梯を越えるとさらに積雪の道になった。
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頂上が近づいてくると「うっすら」程度ではなくこりゃもう雪山登山だ。
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白の世界から青空を目指しているようで好きな景色。
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登り切ると八ヶ岳主峰群がど~ん。
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この景色の前には山頂標なんどうでもよくなる。
でも一応山頂着9時20分、駐車場から2時間50分。
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この後はただただ景色を眺めるばかり。
赤岳と阿弥陀岳。
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権現岳。
この雪を見てこの先を中止する人も多いようであった。
でも今日は編笠岳で大満足だろう。
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赤岳。
いつもよりなおいっそう空に向かって屹立しているように見える。
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天狗岳がひときわ白い。
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今年やっと全景が見えた北アルプスの槍穂。
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中央アルプス。
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そして南アルプス。
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雲海展望台に続いてもう1度の富士山。
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山頂からの動画。
八ヶ岳から御嶽山。
富士山から中央アルプス。
石の上に積もった雪で足場が悪く撮影を焦ったのでパンが速い。

至福のひとときを過ごした30分間。
9時50分に山頂発。
もっと長く滞在したかったが雪の上での休憩対策をしていなかった。
それに刻刻と変化する景色を楽しんでいたらきりがない。
大満足で来た道を戻る。
再び紅葉の道を下って12時10分に駐車場着。

「なんとなく」で思いついた編笠岳登山。
いつも好い景色を提供してくれて今回はまた金印の景色。
これまでは権現岳・西岳とのカップリングでしか山頂に立っていなかった。
なんか癖になりそうなこの日の編笠岳だった。

ちなみにこの山は編笠岳・編笠山の呼び方があります。
岳か山かだけど自分はいろんな理由から岳としました。

台風で週末は山はお休み。
とおもっていたがそんなに悪くもなさそうだった。
本来なら台風一過の好天を期待したが不思議な台風の動き。
でもまあ関東地方は曇りの予想でさらに山梨県などは晴れのマークもあった。
それなら山梨県の山へ行くべえだ。
神奈川県では曇りながら箱根の山はしっかり見えていた。
静岡県小山町では青空が覗き富士山の裾野も見えていた。
ただ先週利用した三国峠方面は雲がかかっていた。
これは三国峠ではよくあることなのでなんてことはない。
さらに山中湖畔へ下って行ったらガスって小雨が降っている。
こういうことはよくあって実は雲海の中にいたりする。
それで杓子山に登るべく鳥居地峠へ向かってみた。
ところが雨がどんどん強くなる。
鳥居地峠に着いたらしっかりとした雨だった。
自分も含めて5台が雨を止むのを待っていた。
でも雨はしっかりと降っている。
8時まで待って見たが止む様子がないので転進を決定。
雨が降っていても歩ける石割山へ向かった。
こちらも小ぬか雨だったが傘を差しても歩けるのが石割山。
と「割り切って」8時50分に出発。
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山と雨はヤル気充分の景色。
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山歩きというよりも景色は神社詣りという感じ。
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しかし408段の階段が待ち受ける。
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好い筋トレになるとおもえば却って嬉しい。
でも登り切ったと思うとさらに階段が出現してがっかりする。
そして登り切ったところに休憩所がある。
「避難小屋」と書いてるけれど休憩所だろう。
階段が終わると山道だが遊歩道と同じ。
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やがて街道のような山道が終わるとそこが石割神社。
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傘を差しながらなので律儀に行かなくとも好いとは思う。
でもまあここまで来たら一応通っておくかと順路に従う。
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山の上なのに今回も立派なしめ縄が。
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傘を差していたから傘を畳んで通過。
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何かご利益があるのだろうか。
さてここまでの「参道」は終わって登山道になる。
とはいえ前回の自分の記憶では大したことなかろうだった。
でも傘を片手にだとけっこう辛い道でこんなところに何回が出くわした。
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そして9時45分山頂着。
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前回同様今回もガスって景色がない。
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ただ前回は12月下旬で気温が低くそれで霧氷を見ることが出来た。
今回はそれすらもない。
晴れているとこんな景色らしい。
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景色はないし雨だしで山頂は写真撮影だけで終了下山路へ。
往路戻っても好いのだが意外と障害が多かった。
それで前回同様に中尾山経由を選択。
やたらとトリカブトが咲いている。
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御坂方面もトリカブトが多かった。
富士河口湖とか山中湖村の花はトリカブトなんじゃないとおもう。
もちろんこの花をそういったところで使うのには何かと問題があるけれど。

中尾山は前回は山頂でダメだった富士山が見えていたような気がする。
そうでなくとも石割山山頂より休憩場所として好かったのは確かだ。
でもこの通り。
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駐車場への道。
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来週はもう紅葉黄葉の景色なんだろうな。
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この「平野」と起点である「駐車場」の分岐は分かりずらい。
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少なくとも自分には分かりずらく前回は通り過ぎてしまった。
もちろん変だとおもって戻った。
駐車所方面への標識が分かりづらい。
それから分岐の道に立ちはだかるように指導票が立っている。
ということが間違いやすい理由ではないかとおもう。

まあ今回は無事に駐車場への道を選択。
どんどん下って行くと渡渉地点。
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そして駐車場に戻る。
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8時50分に出て10時50分駐車場着なのでぴったり2時間の山歩き。
雨は小やみになったものの相変わらずだった。
でも三国峠を越えて静岡・神奈川領域。
山々がひときわ美しく見えるような素晴らしい晴なのだった。

そろそろ奥多摩・奥武蔵の季節だ。
あそこへも行きたいここへも行きたいと候補が挙がる。
でもどうせ行くなら紅葉してからともおもう。
そして天気も晴れてくれることを希望してしまう。
あれこれ考えているうちに結局行きそびれた。
それで比較的近所の山中湖村の三国山に行くことにした。
というのも長野・山梨方面からの帰路に使う三国峠。
ここは以前から駐車場があった。
でもそれは路肩が広がった「駐車スペースあり」程度のものだった。
それがいつのまにか広がって舗装されそして区画され。
「立派な」駐車場に生まれ変わっていた。
それで1度利用してみたかったのだった。
当初はこの駐車場を利用して未踏の高指山方面へと考えた。
でもこの方面は富士山が綺麗だという。
それなら富士山に根雪が来て白くなってからの方が好い。
それで以前歩いたことのある三国山~須走立山往復にしてみた。

三国峠の新駐車場は普通車は15台ほど停められる大きさになっていた。
バスのような大型も3台停められるスペースがあった。
山中湖村はここを基点にしてハイキングコースを売り出そうとしているのだろうか。

8時に駐車場を出発。
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三国峠がすでに標高1167m。
三国山が1321m。
標高差約150mの緩い山道を登って行く。
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25分ほどで三国山着。
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三国山は全国にいくつかあるがここは相模・甲斐・駿河の三国境。
ここから須走立山まではほぼ平行移動に等しい。
広葉樹林の森の中をずっと歩いて行く。
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前回もそうだったが富士スピードウェイから爆音が聞こえてくる。
時間が決まっているのでひっきりなしではない。
でも気になって仕方ない。
足下にサーキットがあるのだからその様子が見たい。
でも無情にも木々が遮っている。
そして前回は夏だったのでほとんど人に会わなかった。
今回もそうは会わないだろうと思っていたが意外と多くの人が来る。
1本道しかないのに途中で「三国山へはどうやって行けば」と訊かれた。
落ち葉が堆積していて道が判然としないからか。
この女性は人気の山の整備された登山道ばかり歩いているのかも知れない。
大洞山には9時12分着。
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展望はないのでさっさと通り過ぎる。
この尾根は深い森なので展望はほぼない。
しかも前回は曇天だったので今回は須走立山の展望台に期待した。
やがて展望の得られる場所に出たが今回もまた雲に覆われている。
山梨県側には青空が見えるのに静岡県側が…。
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アザミ平から望む須走立山。
ではなくその手前の畑尾山だ。
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こちらは静岡県の山なので富士山などで見慣れた山頂標が立っている。
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山中湖村は三国山ハイキングコースと謳っているが小山町は富士箱根トレイルだ。
この付近はトリカブトが多く見られた。
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須走立山山頂は山頂らしからぬ尾根の途中にあった。
ここも森の中なので5分程の展望台へ。
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9時56分、駐車場から約2時間だ。
しかし今回もまた展望はなし。
おそらくこの方面に富士山が見えるのだろう。
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展望もないのですぐに引き返す。
途中でやっと御殿場方面が少しだけ見えた。
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少しずつ紅葉の気配。
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この先はこの辺りの紅葉も綺麗なのだろうな。
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駐車場着11時55分。
普通車スペースはほぼ満車だった。
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約4時間のそれも平行移動に等しいコース。
それでも上りの累積標高は727m。
好いトレーニングにはなったとおもう。

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