テイザニストもろーの山歩き

山歩き歴50年、今は低山を中心に歩いています。

2015年05月

 ブロ友のこうちさんから「檜洞丸=シロヤシオ」という示唆を受けて思い出した。
 前回檜洞丸に登ったのは2011年5月15日。
 大地震の後、初めて登った山だった。
 ところがそのときはまだシロヤシオもミツバツツジも全く咲いておらず、「まだ全然早かったね」というのが頂上でのあいさつの言葉だった。
 その言葉はその日の檜洞丸のあちこちで聞こえてきたものだった。

 それで今年はどうかとネットで調べたところ、檜洞丸周辺も畦ヶ丸周辺もどうも見頃を過ぎてしまっているらしい。
 ただ「1000メートル以上は」という記述もあったので、2011年のときのように全く花がないという状態でもなさそうだ。
 トレッキング・シューズを檜洞丸のような登り一辺倒の長丁場の山で試したいという気持ちもあった。
 週末は日曜日に天気が崩れるようだし、それなら23日の土曜日が今年最後のチャンスとばかりでかけてみた。

 ツツジを見るからには「つつじ新道」だろうと西丹沢自然教室の駐車場に着いたのは6時半だった。が、やややや、30台ほど駐車できるはずの無料の駐車場がもうすでに満車であった。
 しょうがないからキャンプ場の有料の駐車場へ。
 これがなかったら駐車難民になるところだったからありがたく駐車させてもらう。
 駐車場発6時40分。
 すでに多くの人が山に向かって歩いて行く。
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 つつじ新道の入口は暗い沢筋。
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 しかしすぐに沢を離れて綴れ織の登りに。
 トレッキング・シューズで足が軽くどうしてもペースが早くなってしまう。
 重登山靴でのゆっくりとした歩きに完全に慣れてしまっているので、ペースが速くなると息も弾むし鼓動も早くなる。脚は楽かもしれないが身体全体に及ぼす影響がよろしくない。
 沢筋を登りきると尾根を越え、東沢を高巻く平坦な道を行くようになる。
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 ここで呼吸を整えるべくゆっくりと歩く。
 こうした平坦な道はトレッキング・シューズだと歩きやすい。
 歩き始めて50分、7時25分のゴーラ沢出合いの渡渉地点へ。
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 重登山靴だと小さな渡渉など、もし落ちたところで水が漏れるなんてことはないけれど、新素材とはいえ「布」のトレッキング・シューズだと心配になる。
 もちろん問題なく渡っていよいよ本格的な登り口へ。
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 すぐにこんな鎖が出現するが奥武蔵あたりだったらなんてことない普通の登りだ。
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 ただしばらく石の多い痩せた尾根が続く。
 こうしたところでは自分としてはトレッキング・シューズだと歩きにくい。
 ここでも脚が軽いためにペースが早まり普段と歩き方が変わり、へんなところに力が入って逆に疲れる。
 歩き始めから1時間、ゴーラ沢から10分で広い尾根に。
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 ここで考えた。
 軽いということで歩き方を靴に合わせてしまったが、靴はどうあれ歩き方は従前どおりでいいのではないかと。
 それで特に登りはビブラム底の重登山靴のときのように、足の裏をべったりと地面や石面に落として歩くようにした。
 これだと速度は遅くなるが変な力が入らないので自分としては楽である。
 1時間半で標識。
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 そして展望台に。
 という名前だが富士山が木間越しに見えるぐらいだろうか。
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 ことしの富士山は雪が妙に少ない気がする。
 そしてガイドブックに大きく載ってる展望台ではあるが10人程度が休める程度の面積だ。
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 出発から2時間、歩き方を変えて自分自身のペースに戻って調子が出てきたところでブナの大木が散見できる尾根に。
 深い森の中にいるようで気持ちが好い。
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 がしかしまた石や岩の多い道に。
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 ここではもう完全に歩き方はビブラム底に。
 それで岩の上でも快調に歩けることに。
 そして歩き始め2時間20分、第一ミツバツツジ発見。
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 2011年5月15日はほんとに花がなかったから、とにかく花が咲いているのが嬉しい。
 このあたりはミツバツツジが群生していて、花盛りのころならばさぞやだったろう。大室山が間近に見える地点だ。
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 次にシロヤシオ発見。
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 ただホントに遅かったようだ。
 地面にはなびらが落ちていて、見上げると5枚の葉のトンネルだ。
 最盛期はこれが白い花のトンネルだったのだろう。
 ふと愛鷹山のアシタカツツジを思い出す。
 もし今日あちらなら勝ち組だったかもしれない。
 それでもミツバツツジとシロヤシオのコラボも。
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 展望が開けてきてまたまた富士山が。
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 蒸気が立ち上る大涌谷も望見できる。
 蒸気というよりああなると噴煙だ。
 ゴーラ沢を通って来たがあおのゴーラは箱根の強羅と同じだろう。
 ただ強羅の地名の由来になった大石ゴロゴロは、火山の噴火がもたらしたとされているから「噴煙」を見ると心穏やかでない。

 そして再びミツバツツジとシロヤシオ。
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 さらにシロヤシオの山盛りが。
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 そして歩き始めから2時間50分、9時25分に箒沢方面の分岐。
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 バイケイソウ群落の木道。
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 ここを過ぎるとすぐに頂上だ。
 9時45分、3時間と10分で頂上着だった。
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 ガイドブックでは2時間45分になっているから、途中の小休止合計15分を除いても2時間55分かかったことになる。
 ただ軽いトレッキング・シューズのおかげなのか、約3時間登り続けてきた割にはそれほどの疲れではない。
 脚はまだ軽やかな気がする。
 さて例の儀式である。
 ちょうど人が通りかかり、シャッターを頼まれたのでこちらもお願いする。
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 しかし丹沢でも人気のひとつの檜洞丸の山頂標にしてはショボい。
 管轄しているのが環境庁か神奈川県かよくわからないけれど、せっかくの頂上だからなんとかした方がいいのではないか。
 頂上では25分休憩、下山路は石棚山を経て箒沢公園橋へ。
 犬越路方面へ下りたかったが犬越路から先のゴロゴロ石道をトレッキング・シューズで下るのを嫌って石棚山方面にしたのだった。
 でも尾根を見るとやはり犬越路の方がよかったとおもう。
 しかし、提出したのと異なるコースを行くと何かあったときに一番困る、という神奈川山協かなんかの文を読んだばかりだったのでここは自重する。

 つつじ新道から分岐すると急な下り。
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 小さなピークの後にユーシンへの分岐に。
 ユーシンとは懐かしい地名だ。
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 そしてブナ林の緩やかな道。
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 静かで気持ちのよい登山道だ。
 こっちを登りにすればよかったとおもう。
 このコースもミツバツツジの群落が散見できたし、白い花がありこちに落ちていたから最盛期ならばシロヤシオのトンネルもあったのだろう。
 頂上から30分ほどでテシロノ頭に。
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 地図に大きく出ているわりにはショボいピークだった。
 さらに気持ちの良いブナ林を歩く。
 しかし頂上から1時間歩いたたが、石棚山に中々到達しない。ピークかとおもわれる高みは巻いてしまうし、ここがとおもうピークにはなにも標識がなかったりする。
 やっとそれらしき小さなピークがあって、登りきると狭い頂上をグループが占拠している。これが石棚山かとおもったらヤブ沢の頭だった。
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 ということは石棚山はもう通り過ぎてしまったことになる。
 巻いてしまったのか気が付かずに通り過ぎてしまったのか・・・。
 そうなるとあとはもう下るだけになるがこれがそうでもない。
 小さなピークの登り下りを繰り返す。
 石がちな道が多い。
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 こうした道の下りはトレッキング・シューズだとつらい。
 自分の場合は重登山靴ならドカドカと進んで行くが軽い靴だとそれができない。
 ドカンの脚を下ろすとやはり衝撃が来る。
 ズンズン下りて行ったら膝が痛くなってきた。
 こういったことは今までなかった。
 それで膝や腰をかばうようにゆっくりと下る。
 もちろんこれは自分の特殊事情であって、昔は地下足袋を履いている人だって珍しくなく、自分の仲間などは地下足袋で岩場を猿のように飛び跳ねていたから、靴なんて人それぞれなんだとおもう。
 だから自分もトレッキング・シューズでも、膝や腰が痛くならない下山方を体得しなければいけないのかもしれない。
 頂上から2時間10分で沢まで下ってくる。
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 大きな砂防ダムがあって、そこを下りるために鉄梯子があった。
 奥穂高の登りを思い出した。
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 さらに沢に沿って歩き、頂上から2時間半の12時40分に一応終点である箒沢公園橋着。
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 下りでは10分ほど休憩しているからまあまあガイドブック通りだろうか。
 とそのとき西丹沢行のバスが。
 駐車場に戻るに車道を歩くのは嫌だったので時間があえばバスでとおもっていたのだ。そのバスが見えたから自分なりにダッシュしてみた。
 があえなくバスは停留場を通り過ぎて・・・
 しかしバスが停留場を過ぎたところで停まってくれたのだ。
 ありがたや。
 おかげで12時45分には西丹沢自然教室に戻ることができたのだった。
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 6時40分から歩き始めて12時40分に登山終了。
 行動時間6時間、休憩時間合計が約60分だから歩程時間5時間だった。
 
 檜洞丸はあおの大地震後初めて登った山だが、今回の山行が○○以前に最後に登った山になりませんように。
 大涌谷の蒸気を望見してチョッと心配になってしまいました。

 先週「重登山靴」で金時山に登ってみたら案外と感じ好く歩けてしまった。
 もうひとつのザンバランの「軽登山靴」のビブラム張り替え見積が出て、往復の運賃も含めて最大で14,800円だった。
 当初はあの足枷みたいな登山靴を履いて山なんてとおもっていたのだけれど、それで問題なく歩けるならば何が何でもザンバランを張り替える必要もない。
 ただ今どきしかも低山であんな大げさな靴を履いている人も珍しい。
 ゴアテックスや最新の新素材を使った軽量化された山靴が普通のようだ。
 そもそも日帰り低山に特化している自分には、冬の積雪期でもなければザンバランでさえも重い靴になってしまうのではないかと考えた。
 ネットで靴情報を見ると、今の自分の靴の修理代でそれらが買えちゃいそうな値段である。いっそのこと新しい軽い靴を買ってしまおうかなとおもって御殿場のアウトレットに行ってみた。
 ここへ行くのも高速代やらガソリン代やらがかかるのだが、これも家族サービスのひとつなので費用は相殺される。

 いくつかのアウトドア用品ブランドの店を回ってみた。
 そして食指の動いた靴もあった。
 しかしがさすがにアウトレット商品なのでサイズがない。
 と一件のお店でトレッキング・シューズを見ていたら「履いてみますか」と声をかけられた。
 サイズも合うものだった。
 それじゃ履いてみっかあとお店の人が言うままに足を入れたらあらまピタリと来た。そして軽いのだ。
 しかし靴底がビブラムじゃなくってキャラメルタイヤみたいなゴムだった。
 もう何十年もビブラム底の靴を履いて山を歩いてきたのでゴムの靴底では不安だ。
 それでやはりビブラム底の靴を用意してもらったがさっきの靴に比べるとやはり重い。しかも色の選択がない。
 それではと、最初に履いたときの感触がとてもよく妙に気に入った「キャラメルタイヤ」のトレッキング・シューズを購入したのだった。

 で、まずは試しに履いて歩いてみなければならない。
 先週は古い靴を試すために金時山だったが今週は真新しい靴の試しに丹沢の大山に行くことにした。ヤビツ峠から往復でここも2時間と少しである。

 ヤビツ峠の駐車場で新しい靴を履いてみるとやはり何だか頼りない。
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 スニーカーの丈夫なヤツ、という感じでこれまでの登山靴とはやはり異なる。
 山道に入るとやはり感触が違う。
 ビブラム底のドスッドスッという音ではなく、ストッストッなのだ。
 軽いは軽いがこれまで革靴ビブラム底に慣れていて、そのペースでの歩き方になっているから何か勝手が違う。
 心配なのは岩だ。
 岩の上ではビブラムを信頼して斜面でも立っていられるがゴム底靴だとどうなのだろう。斜めの岩を探して立ってみる。
 ビブラムほどのフィット感はないがまあ低山なら問題なさそうだ。
 そんなこんなを試しながら登ったが、軽い靴で時間短縮なるかとおもったがいつもどおり1時間で下社からの道に合流。下社から来る登山道は比較的石の多い道なので、ここで少し下って登り返してみる。
 合流から上も石の多い道なのでそこも含めて問題なく歩けた。

 肝心の大山だが今日の関東地方がどこもかしこも「おひさまマーク」だらけなのにこの頂上だけは雲に覆われていた。
 平野部。
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 丹沢表尾根方面。
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 まあ大山は雨降り山だから仕方ないだろう。
 今回は頂上でタイマーで撮影してみる。
 ところがカメラを置く位置が低いところしかなく、撮影したらモロに逆光で暗い映像になってしまった。
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 大山は花の季節が終って新緑でいっぱいだったがツツジのひとつの木だけが満開だった。
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 さて下りである。
 下りでもやはりビブラムに信頼を置いていた。
 ガツガツと下っても脚や腰に負担がないとおもっている。
 しかしゴム底だと下って行ったときの衝撃を吸収してくれるのだろうかと不安だった。
 確かに足を付けたときに頼りないものを感じたものの、特に衝撃がモロに脚や腰にダメージを与えることもなかったようだ。

 思えば登山の初期は布製のキャラバン・シューズだった。
 あの頃は多くの人がブルーのキャラバン・シューズだった。
 女性はたまに赤いのを履いている人もいた。
 キャラバン・シューズで秩父や北八ヶ岳を登った。
 南八ヶ岳や北アルプスはさすがにキャラバン・シューズではいかんということで革製ビブラム底の登山靴を履くようになった。
 しかし北アルプスの岩場を登ることもなくなった今、またキャラバン・シューズのような今度はトレッキング・シューズで充分だとおもった。
 ただ初代の登山靴は自分の歩き方が下手なせいで、岩角で切った疵があちこちにできてしまった。
 低山でもけっこう岩はあるものでトレッキング・シューズはその点が心配である。
 
 さあ次はいよいよ5時間ぐらい歩きぞ~。

 先週、越前岳から下って来るときに岩の上で2回滑って転んだ。
 アイスバーンでひっくり返るようにズッテンドウと仰向けに倒れたのだ。
 そういえば伊豆ヶ岳でも岩の上で足を滑らせた。
 余程踏ん張りの利かない足腰になってしまったのか、とおもったがそれにしてもあんまりだ。 
 ふと、靴に原因があるのではないかと考えた。
 もういい加減にビブラム底が減っていて、それで岩の上で滑るのではと。

 東京にいれば山道具屋なんてあちこちにあるから、ビブラム交換なんて容易だけれど神奈川の田舎では中々難しい。 
 すると埼玉県の川口市に山靴を修理してくれる工房があることがわかった。
 ここでビブラムを交換してもらえばいい。
 がそれには時間がかかるという。
 修理の間、別の靴が必要になる。
 安いのを買ってそれを履いておこうか、いやいやいっそのこと現在の靴は見限って新しいのにしちゃおうか。

 なんてことを考えていたらもうひとつ靴を持っていることに気が付いた。
 ただしそれは4シーズン用でごっつくって、重戦車のような靴なのだ。
 今のザンバランのフジヤマが片方780g、そして重戦車靴は1210g
 形だって大きい。
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 右がザンバラン、左がさかいやの4シーズン用

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 こちらはその逆。

 現在は日帰り低山に特化している自分の山歩きにこんな重戦車靴が必要だろうか。
 大体今の靴でさえ重いかもしれないのに、さらに重い靴を履いて歩けるのか。
 試してみなければなるまいとおもった。
 ただ試すために登る山は、足が重いと感じたらすぐに下りてこられる山でなければならなかった。
 そこで選んだのが金時山だ。
 ここなら足柄峠から行けば1時間足らずで頂上へ着ける。 
 適当に岩もあるので靴の状態を試すにも悪くない。
 そして今「話題の」大涌谷を望見できる。
 というわけでちょっくらという感じで登ってきた。

 まず林道。
 緑のトンネルのような道。
 靴は平は林道でも違和感がなく、中々調子が良い。
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 こちらからの金時山の方が姿が好い。
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 早々と富士山。
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 山道に入ると新緑が気持ち良い。
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 そして靴が妙に足にフィットして快調だ。
 大リーグ養成登山靴になるかとおもったがこれならザンバランじゃなくってこちらを主力にしてもいいぐらいだとおもう。
 
 ミツバツツジが満開を迎えているようだ。
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 シロヤシロは木によってまちまちだがたくさん咲いているのもあった。
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 55分で頂上着。
 早速富士山の写真を撮る。
 ここのところ3回続けて「富士山展望の山」だ。
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 先週登ったばかりの愛鷹山。
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 とりあえず儀式。
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 自分が頂上標に行くと何故か人がいなくなってボッチ撮影になる。
 そして大涌谷。
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 テレビで見る、あの煙突から出ているとおもわれる蒸気だけがいつもよりも高くハッキリしているが、他はいつもと変わらない気がする。

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 因みに角度が違うものの今年1月の大涌谷。
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 このときよりは確かに蒸気の噴出は多い。
 しかし冬なのでこれまたシチュエーションが異なるけれど、2010年にはそこそこの煙が出ているのだ。
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 しかしそれでも危険は危険なのだろう。
 御嶽山のことがなかったらダイジョブダイジョブなんてことでこれほどの規制はしなかったのではないか。
 こうしてあの教訓が活かされていることに安心する。

 頂上では大涌谷の煙の変化を眺めて25分休憩。
 噴き出す蒸気を見て「あそこが噴火しているとこか」なんて言っている人がいる。
 ちがうちがう、まだ噴火してないよ。

 休憩後一気に下山。
 下山時も靴は快調。
 ほんとにこちらの靴が主力になってしまいそうだ。

 駐車場に戻ったらここも他の人気の山同様、クルマが林道にあふれていた。

以前、愛鷹山は富士山のすそ野の一部かとおもっていた。
 雨の日の東名で愛鷹山のすそ野を富士山と間違えたこともあった。
 神奈川県に転居し箱根や丹沢の山から愛鷹山を望見することで、随分と
立派な山容を持っていることを知るようになった。
 八ヶ岳を連想させる形で、すそ野をずっと伸ばして行けば富士山と同じ
コニーデ型の火山になるのだろう。
 世が世ならば富士山と箱根山と、火山三兄弟(三姉妹?)を形成してい
たのだ。
 もしこの山が千葉県か茨城県にあったなら、神社が祀られ有名になり多
くの人々の信仰を集め、その形と歴史とで、深田久弥も自身の100名山に
選出したかもしれない。
 そもそも初夢の「一富士二鷹三なすび」の、二鷹の鷹は愛鷹山の鷹だそ
うだ(チョッと苦しい説かも)。
 かように由緒正しき(とおもわれる)愛鷹山に登るのは長い間目標だ
った。
 しかし気分的に箱根と足柄の山の壁が高くって、中々静岡県に足を踏み
入れることができないでいた。
 それが伊豆半島ではあったものの、天城峠と沼津アルプスと2回箱根の
を越えて山歩きしたことと、愛鷹山へ行くならツツジの季節が好いとい
うNOBUさんのアドバイスとで「よーし、この連休に登ってくっかあ」
ということにあいなったのである。
 ところがところがNOBUさん情報では愛鷹山のツツジはまだ先だと
いう。いろいろなところから花だよりが届いていたので愛鷹山もそろそ
ろだと焦ってしまっていたのだ。
 とはいえ簡単ながらも計画を立て準備もしてしまったのでここで予定変
更もつらい。
 それで53日に予定通り、愛鷹山の最高峰である越前岳とそこから稜線
でつながる呼子岳に、とにもかくいも登ってみることにしたのである。
 
 7時に越前岳登山口の駐車場に着けるよう出発する。
 カーナビの言う通りに走っていたら、富士サファリパークに通じる道路
であることがわかった。な~んだ、ずっと前だがサファリパークならきた
ことがある。そのときは愛鷹山なんて考えもしなかったなあ、なんておも
っていたら、ややややや、渋滞が始まってしまった。富士サファリパーク
への入場待ちをする車列だ。
 ここまであまりにも順調で、これだと自分が予想していた時間よりずっ
と早い615分には駐車場着ではないかとおもわれたのだけれど、結局渋
滞が40分ほど続いて駐車場着が655分だった。ネット情報では40台駐
車可になっていたがすでに半分が埋まっていた。
 駐車場から見上げるとこれから登る越前岳の登山道が草原の中に上がっ
ている。
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 わくわくしながら7時05分出発。
 少し登って振り返ると富士山が全部まるごとだ。
 嬉しくってすぐに写真を撮る。
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 さらに登ると展望台があってまたまた写真を撮ってしまう。
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 そして南アルプスも間近に見える。
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草原のような登山道を振り返れば富士山と南アルプスが見えの、なんて
幸せなひとときだろうか。
 行く手には越前が聳えていてその姿が黒姫山のようにも見える。
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 やがて灌木帯に入り駐車場から30分登って「馬の背展望台」着。
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 依然として富士山が大きい。
 ここから森の中を登る道になる。
 それにしても今の標識に頂上まで100分とあった。
 1時間40分である。あれれ、まだそんなに歩くのか、勘違いか。
 何か釈然としないまま歩き続ける。
 ツツジがまだ咲き始めだ。
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 そしてヤブレガサの群落。
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 芽吹きが美しく気持ちがよい。
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 駐車場から1時間で「平坦地」という一般名詞の平坦地に。
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 それにしても、この登山道は尾根の上にあちらこちらに道があって、複
々線にさらに引き込み線があってのと選択に困る。
 道がなくてのルーファンじゃなくって、あり過ぎてのルーファンにな
てしまう。
 そんな道を登り続けて8時25分頂上着。
雲が出てきて南アルプスなどは見えなくなってしまったが、眼下に愛
山の支稜と富士市街、そして駿河湾が広がる。
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 愛鷹山の一峰ではあるがとにかく登ったことが嬉しい。感慨ひとしおだ。
 それにしてもガイドブックや案内図では駐車場~越前岳は120分になっ
ているのに、80分で登ってしまった。40分の短縮であるが山歩き再開後
自分の歩きはやたらと遅く、ほとんどコースタイムを短縮することが
なかったのにこんなことってあるだろうか。
 余程甘々なコースタイムなのではなかろうか。
 それはともかく頂上にて記念撮影の儀式。
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やたらとお腹がすいていたのでしっかりとパンを食べてしまう。
昨日は竜が岳で今日は越前岳だという人といくつか会話を交わしてから
呼子岳へ向けて出発。愛鷹山中央部に
越前岳では15分休んで840分に呼子岳へ出発。
行く手に峰々がそびえているのだがどれがなにだかわからない。
痩せた尾根をガンガン下って行くので往復で帰ってくるのが少し心配に
なる。
 アセビの花が咲いているのを発見。
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 しかしここでもツツジはまだ蕾だった。
 これがアシタカツツジなのだろうか。
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 さらに痩せ尾根を行くと前方に呼子岳から鋸岳への稜線がハッキリと
確認できるようになる。しかし位牌岳から呼子岳にかけては雲がかかっ
てきた。
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 尾根の突起のようなピークと呼子岳の間はチョッとした吊尾根になっていて、そこからの下方の景色がたおやかで美しい。山にいるんだあ、という満足感。
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 呼子岳ももうすぐそこだ。
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 そして925分、越前岳山頂から40分で痩せた尾根の呼子岳着。
 不帰の嶮か両神山の八丁尾根のような鋸岳、がっしりとした位牌岳の眺
めがよくここで引き返すのが残念な気分になる。
 ただ雲が出てきて全部が見えないのもまた残念だ。
 ここでもしっかりと食料を食べて記念撮影。
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せめて割石峠まで行ってみるかともおもったが、黒い雲が出てきて雨が
降りそうになってきたので940分に越前岳に向けて呼子岳を出発。
 
 戻って行かねばならない越前岳が遠い。
 その後ろの富士山もすでに雲に覆われている。
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途中で一輪だけ咲いているイワカガミを発見。

 木間からは初めて愛鷹山を望見した金時山を逆に望見する。
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 そして越前岳への登り返し。
 下って来るときに急坂だったので登りがおもいやられたが、ひたすら登
り続けてコースタイムでも自分の見積でも1時間のところを55分、1035
に再び越前岳に。
 しかしここでもどんどん雲が上がって来て、すでに富士市は見えなくな
っていた。
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やがて山頂にも雲が流れ出す。
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 気温も低くなって下山を始める人も。
 こんなのすぐに晴れるのではないかと今度はしっかりと座って食事を
し、雲の行方を見ていたのだがいっこうに取れる気配がない。
 それにしても今日は75分から歩き始めて1035分まで3時間半の行動。
 うち30分は休憩だから実質歩程3時間。
 何か妙に元気であと2時間や3時間は山の中を歩けそうだ。
 な~んて考えながらも11時に山頂を出発。
 もう富士山もすっかり雲の中だ。
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 どんどん下って行って1時間、12時に駐車場着。
 ガイドブックや自分の歩く遅さなどから、駐車場に戻ってくるのは1時半
頃かと見積もっていたのだがこんなに短縮してしまうとは。
 念願の愛鷹山登山であったけれど、位牌岳や黒岳、愛鷹本峰などこの連
峰にはまだまだ行くところがある。
 秋の越前岳だって来てみたい。
 大体意外にも自分の居住区から近い。
 これからもここを訪れることになるだろう。
 
 行動時間5時間、休憩時間40分、歩程4時間20分だった。

愛鷹山のツツジがもう咲いているんじゃないかと、
気持ちばかりが焦って、他の用事との兼ね合いもあって
5月3日に愛鷹山の越前岳から呼子岳の予定を立ててしまいました。
そしたらブロ友のNOBUさんからアドバイスで、
アシタカツツジはまだ先とのこと。
でももしかしたら呼子岳付近でイワカガミが咲いているかも
という朗報も。

アドバイスどおり山の花木はまだまだ先らしく
やっと春が来たといった景色。
ではイワカガミはと前かがみになりながら歩いたら
呼子岳と越前岳の鞍部付近で見つけました。

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しかしこれ一輪しか見当たらなかった。
周囲をさぐったのにほんとにこれだけだった。
明日からはそこらじゅうで咲きだすのかなあ。

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