テイザニストもろーの山歩き

山歩き歴50年、今は低山を中心に歩いています。

2013年10月

 山歩きを予定していたのに雨だった。
 最近はただただ山の中を歩きたいというだけの気持ちなので、未知の山に行くことなんてほとんどない。
 毎度毎度同じところへ思い立ったら行くような形で、今週末は晴れそうだから山でも歩きに行ってくっかあてな気持ちで、だから雨の中を歩くこともないし、大体装備だってもし事故でも起したら本多勝一に散々叩かれそうな軽いものである。
 でも、今回は低山とはいえ初めての山に行こうと思っていた。
 それも縦走を目論んでいたので、コースタイムを調べ、電車の時刻表も調べ、一応エスケープ・ルートなんかも確認しておいたのだが、あらま、狙い透かしたかのように雨になってしまった。
 まったく・・・計画しただけで雨かいなという気分になってしまう。
 
 それにしても自分の山歩きというのはよくも雨(雪も)に降られたもんだなあ。
 東北の山なんて(といっても福島・山形だけれど)満足に晴れたのは会津駒ケ岳だけだ。
 複数回登っても晴れてくれなかった山(燧ケ岳、吾妻連峰)もある。
 
 大体初めて登った山が雨だった。
 北八ヶ岳の天狗岳だったけれど、でも雨でな~んにも展望が利かなくとも、山ってなんて素敵なところだろうと思ってしまったのだ。
 それで山を司る神様が「そうかそうか、それならこれからどんどん雨を降らせてやろう」なんて気を利かせてくれたんだろうか。
 
 秩父の山を好んでいたけれど、それでも雲取山も1回目は雨だった。
 武甲山では激しい雷雨にあったことがある。
 
 黒部方面もあまり好い思い出がない。
 薬師岳なんてテントが水浸しになるほど雨にやられた。
 剣は雨で断念。もっとも翌年自分が参加しなかった再戦でも大雨で敗退しているから、これは自分ばかりのせいではなさそうだ。
 おお、そうだ、仲間にもうひとり雨男がいて、彼と組んだ山は全滅だった。
 後立山とか北穂から槍の大キレットとか・・・あ、甲斐駒・仙丈もだった。
 まだあるけれど、まあいいか。
 そういえば彼とはサッカーのトヨタカップなんかも見に行ったけれど、そこでも雨に降られたし大雪に降られたこともあったなあ。
 
 なんでこんなに雨ばかりだったかというと、ひとつにはグループだったということもあるだろう。
 山行計画立てて、団体での食計を立てて、休暇もとって、それで雨だから中止ということは出来なかったのだ。
 それに何日か山に入れば雨が降るのは当たり前でしょ、という認識だったから天気予報が雨でもそれほど悲観もしなかったのだ。
 
 つらい雨の山登りだったけれど、ガスで視界のなくなった登山道に雨音と靴音だけが響くあのときが、今となっては懐かしくおもうときもある。
 あ、そんなこと書いてるとまた叶えられてしまうかもしれない。
 
 そうそう、亡き親友と組んだ山はけっこう晴れたぞ。
 穂高連峰、槍ヶ岳、奥黒部、それから最後に行った悪沢・赤石なんか4日間ドピーカンだった。
 もちろん僕や前者の威力で雨のときもあったけれど、彼は晴れ男だったんだなあ。
 
 さて、計画している低山縦走だけれど、今度行けるとしたら11月上旬の連休のいずれかの日だ。
 と予定しているとまた雨に狙われる恐れがある。
 それに11月2日はナビスコカップの決勝戦、浦和‐柏の日なのだ。
 チケット完売だから見に行くわけではないけれど、僕が山行を計画すると雨の恐れがある。
 決勝戦はやっぱり晴天の下でやって欲しいから、山へ行くのなら11月の中旬過ぎ、関東の低山にも紅葉が降りてきた頃にした方がいいだろう。
 もうこの時期なら天候も安定しているに違いない。 

 以前、音響メーカーの仕事をしていた関係でその方面の技術者と話したことがあり、もう20年ぐらい前から音なんてどうにでもなることを知っていた。
 レコーディングのときのみならず、ライブ・ステージでもその場でどんどん加工して音なんて望むようにできるんだ、なんて話も聞いたものである。
 
 だからいわゆる「アイドル」なんていう冠がつく歌手やらグループやらは、どうせ最新の音響技術に助けられてるんだろうなあと認識していた。
 それでAKB48が話題になってきた頃も「どうせ」と冷ややかな目で見ていたものである。
 ところが2年前の2011年に、ひょんなことからyoutubeでAKBの動画を見てしまったのだ。それは被災地でのチャリティ・コンサートの様子だったのだけれど、それはある意味で感動だった。
 
 あの当時、人気絶頂だったAKBが被災地に行っていたということもそうだけれど、それよりも仮設ステージと貧弱な音響設備と少人数のメンバーとで、きちんとライブ・ステージができていたことが軽い驚きだった。
 なんだちゃんとでき来ているんだあ、という想いである。
 それでAKBへの認識を改めるようになったのだけれど、さらに家人がミュージカルを見に行ったら、AKBのメンバーが出演していてそれが歌も劇もむちゃくちゃ上手でビックリしたという話も聞いてさらに好感度アップだった。
 
 でもそれだけであって、大体若いころから女性アイドルに興味を持ったことがなく、しかも今この歳になって・・・であった。
 ところが2週間前にこれまたひょんなことから再びAKBをyoutubeで見てしまい、初めてきちんとAKBを聞いて、その曲が素晴らしく好いことに気が付いたのである。
 
 なんで2週間前かというと浦和のせいだ。
 9月14日、国立競技場でのFC東京戦、なんとか引き分けかと思いきや、追加時間に平山に逆転ゴールをくらって敗戦。
 9月21日、ホームでの甲府戦、勝ったと思いきやこれまた追加時間に失点。引き分けに。
 さらに9月28日、アウェイでの湘南戦、なんとか追いついたもののやっとの引き分け。
 オイオイ浦和は優勝を争っているのだぞ、それが残留を争っているチームに2試合連続の引き分けかあ、もう優勝争いから後退だよなとがっくりきてしまった。
 
 そんなときにAKBのお気楽な「いいことあるよ」的な曲を耳にして、浦和を忘れるためにもっと聞いてみたくなり、youtubeにアクセスしてみたのだった。
 「恋のフォーチュンクッキー」という題名だけれど、きちんと聞くとベースが1980年代に(なんというか忘れたが)流行ってロッド・スチュアートやローリング・ストーンズなんかも取り入れていたリズムで、なんかえらく懐かしい気分になってしまったのである。
 
 それで調子に乗ってしまって、次に「ヘビー・ローテーション」という曲を聞いてみた。そしてビックリした。
 こりゃマージー・ビートじゃないか、モータウン・サウンドじゃないか、ビートルズだシュープリームスだ、ドゥービー・ブラザーズだハートだ、山下達郎だ竹内まりやだあ。
 これまで断片的に、それも耳に入れる程度だったから、チャライ曲だと思っていたけれど大間違いだった。
 こりゃ歴史的ポップス曲じゃないか、少なくとも自分の中では「衝撃」の1曲だった。
 
 でyoutubeでの範囲で他の曲も聞いてみたが、なかなか好い曲があることもわかった。それに音楽技術的にも(つまり歌唱力)そう悪くないこともわかってきた。
 まあ大体こうした手合いは「歌が下手」という偏見があるから、それが普通に歌えると意外におもうだけなのかもしれないけれど、家人の証言もあるのでそう捨てたものでもなさそうだ。
 
 そうしてしばらく気を紛らわしていたら10月5日、どうせダメだろうとおもっていた大宮とのダービーに浦和なんと4-0で大勝したのだった。
 しかも残留を争うレディーズは対象となっている吉備国際大に勝利。
 そしてさらにさらに、ナビスコ・カップの準決勝第2戦では川崎を破って決勝進出。
 レディースは新潟に2-1の逆転勝利で残留に近づき。
 もうAKBどころではなくなったのだ。
 大体いい歳こいてねえ。
 
 とおもっていたら、日本代表はセルビア戦に続いていいところなく敗戦。
 おいおい、ワールドカップ出場国が予選敗退国に2連敗かよ。
 コンフェデレーション・カップ以来「カイゼン」が見られないじゃないか。
 そしてさらにまたまた浦和がやらかしたのだ。
 天皇杯でJ2の山形に2-3の敗戦。
 なんてこったい、こんなに早く天皇杯への興味を失くされるなんて・・・。
 
 つかのま楽しみのつもりのAKBだったのに、これじゃまたyoutubeでお気楽な曲と景気づけの曲とを聴かなければならないのだろうか。
 
 あ、そうそうAKBに好意的なのは、重要なメンバーのひとりが浦和ファンということも大きな要素なのであった。

 北陸新幹線が2015年に開通するという。
 意外におもったのは長野新幹線の延伸ということだ。
 北陸新幹線というのは、てっきり米原から富山方面へ延びて行くものだとおもっていた。
 やはり「東京へ」なのだなあ。
 
 ところでこの北陸新幹線のルート、往時の鉄道の要衝であった直江津を無視しているし、飯山を通るから信越本線とは異なるところを走るようだけれど、それでもやはり信越方面には違いない。
 そのニュースを聞いて思い出したのが急行越前だ。
 普通の客車とそれからB寝台が連結された、上野発の信越本線経由福井行きの夜行列車である。
 黒部・立山方面への山行には欠かせない列車だった。
 
 寝台車が連結されていたけれど、そんなところに乗るような経済的な余裕はなかったから、乗ったのは多くの登山者がそうであったように普通客車である。
 きっと「大人のお金持ち」の登山者は寝台車に乗っていたんだろうなあ。
 
 何時発だったかなんてのは覚えていないけれど、直江津を過ぎた後ぐらいに空が白々としてきて、夜明けの富山駅に着くと剣岳なんかが見えていて「よーし、好い天気だ、今回は素晴らしい登山になるぞ」なんて張り切るのだけれど、これが山の中に入ると一転して悪天候になるのだった。
 
 そうそう、富山駅では登山客みんなが判で押したように「鱒寿司」を買い、それを昼飯用にザックにぶら下げて歩くものだから、山の中でも生臭かったりした。
 それから立山方面はけっこうライトな登山者が多くって、そのせいかどうかカウベル付けて歩いている人が目立ち、あちこちでカランコロンと音がするのが印象的だった。
 
 富山から山に入って上高地方面や大町方面に抜けるのと、また富山駅に戻ってくるのとがあって、富山方面に戻ってくると帰りは特急白山を利用した。
 この特急には確か食堂車が付いていたようだけれど、もちろん経済的理由で利用することはなかった。
 この白山にはスキーのときにも乗ったなあ。
 
 最後に急行越前を利用したのは白山に登った時だった。
 このときは福井の山にも登ったので、帰りは米原に出て新幹線で帰ってきた。
 白山に登ったのに特急白山には乗らなかったのだ。
 
 そのうちに自分の山行もライトになって黒部の方までは行かなくなってしまったし、また自動車利用になり、で松本・大町方面への急行アルプス同様、急行越前がいつなくなったのかもわからずじまい、そして唐突に近い形で北陸新幹線のニュースを聞いたのだった。
 
 新幹線が出来ると東京から富山までは最速で2時間余りとか。
 黒部・立山方面へは素晴らしく便利になるのだろうなあ。
 しかも列車名は「つるぎ」とか「たてやま」とか、山の名前になるらしい。
 もう乗ったときから気分が盛り上がるではないか。
 でも自分はもうこちら方面の山に行くことは100%ないのだった。

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