テイザニストもろーの山歩き

山歩き歴50年、今は低山を中心に歩いています。

2013年06月

 西武秩父線を廃止にするなんてことをアメリカの投機会社が言い出して、廃線反対の声があちらこちらから上がり僕も反対だったけれど、今回の西武鉄道の株主総会で否決されたとかで一安心である。
 でもまだアメリカの投機会社が絡んでいる限り再燃する恐れは残るだろう。
 
 僕が子供の頃は西武線は吾野までしか行ってなかった。
 だから家族ハイキングなどで正丸峠-伊豆ヶ岳に行くのには、吾野からバスに乗って正丸峠まで行ったものである。吾野から正丸峠まではけっこう距離があって、それを子供づれの家族がバスで行ったのだから大したものだ。多分道路も舗装されていなかったんじゃないだろうか。
 それでも今は正丸トンネルが出来て峠の方は見る影もないけれど、当時はあれでいっぱしの観光地だったらしくバスなんかけっこう混んでいて、正丸峠から伊豆ヶ岳まで人の列が続いていたような記憶がある。
 今から考えれば物見遊山もいいところだった。
 
 その先に秩父という地があることを地図ではわかっていたけれど、正丸峠から見えるのは山ばかり。
 秩父は雲煙の彼方にある別世界のようにおもえたものだ。
 
 子供の頃のこの地域の思い出はそれだけだ。
 それ以来全く縁のない地域だった。
 ところが10年後、山に登るようになってしまったのだ。
 
 最初に行ったのは八ヶ岳の天狗岳だったのだけれど、それでけっこう山に嵌ってしまってそれ以来長野や山梨方面の山に行くようになったのだ。
 ただ当時の山登りというのは「夜行列車」で行くのが普通で、バスやタクシーも使わなければならず交通費を考えてもけっこう大変であってそうちょくちょくは行けるものでもなかったとおもう。
 しかし山に嵌るととにかく山を歩きたくなってしまうもので、もう近場でもどこでもいいから山へ、とおもったら奥武蔵・秩父方面があったのだった。
 そして奥武蔵・秩父方面といえば何といっても「東京から見える山」である武甲山だろうと、その目的で初めて乗ったのが吾野より先の西武秩父線だった。
 
 このときは表参道コースという、もっとも一般的なコースを行ったので電車も横瀬で下りてしまったけれど、芦ヶ久保の駅からだんだん盆地に下ってゆくと秩父の市街地が開けてきて、それはまさに盆地であって、その気分は松本や長野、会津若松などが近付いてくるのと同じものだった。
 正丸トンネルを抜けることで関東平野との分水嶺を越える秩父は、箱根や日光とはことなる私鉄電車で行ける東京からもっとも近い別世界だったのではないだろうか。
 
 それから秩父方面の山にはよく行くようになってしまったので、西武秩父線もとにかく乗った。
 最初に行った武甲山は単独だったけれど、次には友人を誘って北参道からも登ってみた。
 今は石灰採掘で低くなってしまったし、北面は立ち入り禁止になってしまったけれど、当時は北面の岩道を行くルートもあったのである。ただし、発破時間になるとサイレンが鳴って避難小屋で待たなくてはならなかった。
 
 このときに初めて特急レッドアローを利用したのだけれど、これが怪しからぬことに武甲山の最寄り駅である横瀬の駅には止まらず、その手前の芦ヶ久保駅に停車するのだった。
 だからそのまま西武秩父の駅まで行って、そこからタクシーまでまた戻るような形で登山口に入ったのである。
 
 でもやはり指定席は快適だったから、それ以来レッドアローは何回使ったことだろう。
 両神山や雲取山にはそれぞれ複数回行っているのでその度に使い、また熊倉や秩父御岳、名栗方面から下山、あるいは芦ヶ久保駅を最寄とする奥武蔵の山、等々。
 秩父へ行くときは池袋発6時37分だかだったかがお馴染みの電車だった。
 
 しかしハッキリ行って、当時のレッドアローはダサかったなあ。
 黄色に赤というテッカテカのあの配色はどう考えても垢抜けなかった。
 それに上りにであれ、下りであれ、飯能駅でのスイッチバックのために座席の向きが反対になっちゃうのも興醒めだった。
 現在はニュー・レッドアローとかでちょっとは格好よくなったんじゃないだろうか。
 
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 でもこれが出てきてから久しいから、もうニューでもないかもしれない。
 
 ところで、レッドアローばかりが秩父行きに便利なのではなくって、土曜・休日の快速急行というのも使える電車だった。
 子供の頃に登った伊豆ヶ岳に行ってみようとおもったときに、レッドアローは伊豆ヶ岳最寄駅である正丸には停車しなかったからだ。
 最初は普通の通勤電車車両だったものが、やがて白にブルー・レッド・グリーンのトリコロール・ラインが入った、ボックスシートの車両になったのだが、それが登場したときはもう僕はピクニック程度の山歩きしかしなくなっていたので、長瀞方面に行くときに利用するぐらいだったかな。
 
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 そうそう、秩父というところは旧い歴史的建造物があちこちにあるわけでもなく、温泉が豊富に涌いているわけでもなく、全く持って一見地味な観光地であるのだがこのマイナーなところに深い味があるようで、嵌る人間はけっこう深く嵌ってしまうようだ。
 僕もそのひとりだったけれど、僕の友人はもっと嵌ってしまい、カメラ片手にかなりの頻度で秩父を歩いていたようで、たまにそれに付き合ってレッドアローに乗ることもあった。
 
 井出孫六は「秩父へは足を使って入らねばならない」というようなことを書いていて、それは秩父が峠に囲まれた地だからなのだけれど、そしてそれはそうだけれど、さすがに今や歩きというのは無理である。
 しかしやはり電車で、西武秩父線に乗って、正丸峠を抜けて武甲山を瞥見して秩父に入るが一番だとおもう。
 なにしろ秩父は蕎麦と酒がうまいところだから、クルマで行ったらそれが出来ないではないか。
 僕らが電車で秩父の山へ行ったのも、実は山そのものよりも秩父での「アフター登山」が主目的だったとおもえなくもない。
 
 ああ、レッドアローにのって昔のように秩父へ行きたいのだが・・・

 コンフェデーレーションズカップの最終戦、日本はメキシコに敗れて3戦全敗。
 僕の予想どうりだった。
 予想と異なるのはイタリアから3点取ったことぐらいだろうか。
 それから前回の試合を教訓にブラジルには2失点ぐらいで終るかなとおもっていたけれど、アディショナルタイムでそれこそ追加の点を取られてしまったことも予想というよりも期待はずれだった。
 メキシコには「順当」に1-2で敗れた。
 
 でも、メキシコとの技術的な差はそう大きくはないとおもう。
 出来れば引き分けぐらいにはして欲しかったし、ひょっとしたらだけれど勝てたかもしれない。
 ナイジェリアやウルグアイと当ったらどうだったのだろう。
 とりあえずブラジルやイタリアにそうは簡単に勝てるとはおもえないけれど、メキシコには勝てるぐらいの試合をしなければ、ワールドカップ本戦での決勝トーナメント進出は難しいのではないだろうか。
 
 もともと日本の場合、コンフェデレーショズカップに何をしに行くのかわからなかった。
 大言壮語で「優勝」を口にしていた選手もいたけれど、それはまあ自身への鼓舞としても、肝心の監督がどうとらえていたのかわからない。
 この大会を「勝ち」に行ったのか、それとも今後の準備のために行ったのか。
 
 おそらく準備しつつもあわよくば勝って、という両面を考えていたのではないかとおもう。
 その中途半端な考え方が選手の起用や交代に現れてしまい、選手たちにも我々にも何らメッセージが伝わらず、そのうえ結果も出せず未来も見えずなので、監督解任論が評論家の人たちから出てしまうのも仕方ないだろう。
 コンフェデレーションズカップの場合は相手が相手だったとはいえ、なにしろそれも含めて今年になったからイラク戦での1勝しか出来ていないのだから。
 
 僕は元々コンフェデレーションズカップのグループリーグの組み合わせを見たときから、こりゃあ無理だと思ったし、ましてや日程的にも楽ではなかったし、大体この大会のために何らかの準備をしていたのかもわからなかったから、まあ結果はそんなもんでしょ、とおもってる。
 しかし指揮者がこの大会を一体どう捉えていたのか、何をしたかったのか、今後のためにどう役立てるのか、それが見えなかったのが不満だ。
 そういったことでは監督解任論が出るのも仕方ないだろう。
 ただし、この大会で故意に滅茶苦茶なことやって、1度代表チームを壊し、新しく作り直そうそれを選手、関係者、ファンに納得させようという意図があったのなら話は別かもしれない。

 今日はコンフェデレーションズ・カップの対イタリア戦だった。
 だけどこのところヒマな毎日を過ごしているのに今日に限って、朝から出かける用事があってこの一戦をライブで見ることが出来なかった。
 ただ移動中にスマホで状況を見たらなんと2-1で勝っている。
 ゲッ、もしかしたら日本が勝つ?
 淡いながらも日本がイタリアに勝つことを想像してしまった。
 いやいや勝つことは難しくとも、引き分けぐらいは出来るんじゃないか、とも期待した。
 しかし・・・結果は惜しむらくも3-4の敗戦だった。
 
 う~む、あれから(2-1から)まだ点が入ったんだ。
 いやはやいわゆる打ち合いって奴じゃないか。
 
 で、ビデオで見た。
 おもしろい、楽しい試合だった。
 負けは負けだけど、攻めに行っての負けだからスッキリしている。
 まあもちろん厳しい見方をすればディフェンス崩壊だけれど、だって相手は不調だったとはいえイタリアだよ。
 あるいは流れの中で点を取ってないかもしれないけれど、イタリアだよ相手は。
 
 とまあ結果知ってからビデオで見ているからそう言えるのかもしれないけれど、実際にライブで見ていた人たちは「勝てた試合じゃないか、なにやってんだよ!」という気分になっているようだ。
 自分の温厚な先輩に電話して感想を求めたら、けっこうプリプリしていたのには驚いた。 
 確かにやらずもがなの失点だったから、ライブで見ていたら悔しいったらありゃしないのだろうなあ。
 
 でもブラジルとの試合ではもう何をやってんだよ、てな内容だったけれど、とにかく攻めてゆこうよ点を取ろうよという結果で負けたたんだからいいじゃん。
 ここでできたこと出来なかったことをキチンと整理して、例えばディフェンスの問題とか、流れの中で点を取るとか、それと後は人選の問題も含めて1年後に合わせればいい。
 
 もちろん勝てなかったことは残念だし失点は不満だ。
 けどやりゃあできるんだってことがわかっただけでも良かった。
 このところ点を取ってないからね、日本は。
 
 さて、最終戦の相手はメキシコ。
 実はイタリアよりも難しい相手なんじゃないかとおもっている。
 ここはもう負けてもいいんじゃないか。
 それよりも「おお、日本ってこんなことができるんじゃないか」というところを見せてくれれば。

 日本がブラジルに勝つことはちっとも期待しなかった。
 その実力差は誰が考えても、ブラジルがひとつもふたつも格上であることは否定しようがない。 
 ましてや今回はブラジルのホームであり、スタジアムはサッカーを人生としているブラジル人でほぼ100%埋まり、しかも世界大会の開幕戦で、さらに日本は灼熱の地で試合をした後に10数時間をかけて移動してきたのだ。
 日本がもしブラジルとの実力差がなくとも不利な状況ばかりである。
 
 けれども、アジア・チャンピオンでありワールドカップ出場国である日本にも、その矜持ぐらいは見えてくれるのではないか、このところの不甲斐ない試合から少しはマシな動きをしてくれるんじゃないか、ということは期待してしまったのだった。
 
 結果0-3の敗戦だった。
 1点目のネイマールのシュートは仕方ないとおもう。
 もちろんそれじゃいかんのだが、それが個の力の差だ。
 でも2点目、3点目はスピードの差や得点意識の違いがあったとしても、集中力を高めていれば防げたのかもしれない。それも個の力なのだろうけれど。
 
 まあこれぐらいの差で負けるだろうなあと予想はしていたので、それは特に落胆することもない。
 気持ちがモヤモヤしているのはこの試合、日本は勝ちに行ったのかそれともチャレンジしたのかよくわからないことだ。
 例えば昨年のフランス戦のように守りを固めてカウンターを狙うとか、逆にやはり昨年のブラジル戦のように果敢に向かって行くのか、どうもその辺がハッキリしなかった。
 今後に期待できるシステムがあったわけでなし、あるいは選手が出てきたわけでなく、ただただブラジルに翻弄されてしまったような試合だった。
 
 とにかく技術的にも体力的にも精神的にも、圧倒されてしまったが、代表選手でもないブラジル人選手が活躍しそれに頼らなければならないJリーグなのだから、その違いの差は言うまでもないのだけれど、それにしても将来に何も見えなかったのがとても残念だった。
 
 早起きしないでビデオで見りゃあよかったよなあ。
 
 そうそう、GKの川島は1度西川と代わった方がいいのではないか。
 確か彼はアジアカップでも西川に代わった後の試合に、好いセービングを見せるようになったから。

 ワールドカップ・ブラジル大会予選の最終戦、イラク戦は気持ちよく勝ってとりあえずはコンフェデレーションに向かって欲しかった。
 それなのになんだい日本のあのグデグデした内容は。
 先週本田が個々の力をもっと高めなければというようなことを言っていてけれど、知らない人がこの試合を見たら、イラクがワールドカップを決めた国におもえちゃうんじゃないだろうか。
 どうみてもイラクの選手の方が技術的に高かったし、スピードがあったし、シュートの意欲もあったし、だいいちヤル気が見えていた。
 
 イラクだからシュートの精度が悪くって助かったけれど、例えばブラジルなどにあそこまで攻められたらいったい何点決められていただろうか。
 日本にはこのイラク戦ではマンチェスター・ユナイテッドやインテル・ナシオナルの選手がいるというのに、それらしきレベルの高さが感じられなかったなあ。
 日本が得点したのは相手が10人になってからだし。
 
 そりゃアウェイで高温乾燥の地で多分ピッチ状態もよくなくての、日本が不利で体調も万全ではないのはわかるけれど、普段出場していない選手やここまで調子が今ひとつだった選手は、こんなときこそ必死コイテいいところ見せなきゃダメでしょ。
 
 南アフリカ大会のときは本田が急成長し、また長友や川島も成長が見られたけれど、今のメンバーにはそういった「オオバケ」しそうな選手は見当たらない。
 ということは現在のメンバーを替えないで臨むコンフェデレーション・カップは何にも期待できないということですね。
 日本と対戦するブラジル、イタリア、メキシコにとって日本は「勝点3」を確保できる相手だろうなあ。
 いやホントに若い急成長の選手が何人か出現しないと、あるいはそれを発掘しないと、ブラジルの本大会はまたドイツ大会同様になってしまいそうだ。
 
 最終戦はとにかく勝って終わりにしてくれ、と願っていたのでその通りになってメデタシメデタシなんだけれど、ああいった試合を見て先を考えると何だか暗くなってしまうのだった。

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