私が花粉症を「発症」したのは1979年のことです。
春先、その頃の職場にアルバイトに来ていた女性が、鼻の周りや目の周りを気にしているので「花粉症ですか」と聞いたらそ「そうです」と答えました。
ああ、噂に聞いていた花粉症なんだあ、とおもったもののそれは他人ごとでした。
ところが・・・すぐに自分が発症してしまったのです。
鼻の周りが痒い眼が痒い。
その痒さはこれまでに経験のない、ジワジワしたものでした。
つまり「エーイ痒い、バリバリ掻いてやれ」で終るのではなくって、内面から後から後から痒みが出てくるというような感じでしょうか。
花粉症、その後どんどん進行して行って、痒い、クシャミは止まらない、涙も止まらない。
1980年代後半から1990年代前半はもう春先になると、クシャミや涙でクルマは危なくて運転できず、花見にも行けず、とにかく春先は外に出るなという状態でした。
大体花粉症は熱は出ないからそこが風邪と違うなどと言いますが、クシャミばっかりして、そのおかげでイライラして、なんて日々を送ると、因果に関係なく熱のひとつも出るというものです。
ところが、意外なことから花粉症が改善されてしまいました。
当時私は太っていました。
で、太ることによって起こる病気一歩手前か、あるいはもうその領域に踏み込んでいると診断され、カロリー計算による食事摂取を義務付けられました。
すると自然とカロリーの少ない食物が増えることになります。
それまでの好物だったオイリーなものや肉が遠ざけられ、野菜中心、高野豆腐、しいたけ、わかめ、コンニャク、竹の子、玄米・・・。
酒なんて飲んじゃいけないのだけれど、でもこれは止められないから、それまでのビールとウィスキー等スピリッツ系から日本酒熱燗になり(そうすると自然にオイリーなものから遠ざかる)、おやつもケーキから和菓子にし、するうちに3ヶ月で15kgも体重が減りました。
81kgから66kgです。
減量は夏のことだったのですが、秋が来て冬が過ぎ、そして春が来て・・・
今年も花粉の季節がやってきました、とおもっていたら、ありゃまどういうわけか花粉症が出ない。
1997年のことでした。
その後も周囲が花粉症でヒーヒーいっているときも平気の平左でした。
花粉症がないのっていいですね、なんて言われたりするけれど、とんでもないあなたがたよりも酷い花粉症だったんだよと、心の中でつぶやきます。
ところで、仕事上で知り合ったふくよかな女性がやはり酷い花粉症でした。
彼女は若いときに激しい運動を伴うスポーツをやっていて、それはそれは大量のカロリーを摂取しなくてはならなかったようですが、スポーツを止めたあとも高カロリー摂取を続けたためにどんどん体重が増えていったのでした。
私は彼女にその酷い花粉症は食生活を改めて、そして体重を減らすことによって改善されるかもしれないよとアドバイスしたのですが聞き入れてもらえませんでした。
ところが、やはり彼女も健康上の問題で体重を減らさざるを得なくなりました。
つまり私と同じで、食生活を変えることになったのです。
とどうでしょう、私のアドバイスどおり彼女の花粉症は見違えるように軽減されたのです。
完治というわけではないかもしれませんが、「苦しい」という状態からははるかに解き放たれたのです。
食生活や減量によっての花粉症改善は、私を含めて2例しかありません。
だから減量の必要のない人、すでに食生活が低カロリーである人、にもかかわらず花粉症である人には当て嵌まりません。
でも、もし私の過去と同じような食生活、脂肪分やオイリーなもの、ビールやスピリッツ系のアルコールを好人、それで花粉症にも苦しんでいるとすれば、食生活を変えて、そしてウォーキングなどしてみたらいかがでしょうか。
要するに体質改善なのだとおもいます。
とにかく改善された本人の証言です。
偶然がなせる業で科学的根拠はないのですが、苦しいぐらいの花粉症なら試してみる価値はあるとおもいます。